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魅力的なバックスタイルへのアプローチ PDF プリント メール
Imageフィットネスプロ、ベス・ホーンがアドバイスする“美しい背中をつくる”7つのトレーニングポイント

パーソナルトレーナーでフィットネス競技のプロ選手でもあるベス・ホーンは、1日のうちかなりの時間をジムで過ごす。その彼女いわく、ほとんどの男性が最も熱心に励むのはベンチプレスとアームカール、一方女性はといえば、脚とお腹のトレーニングへの関心が最も高い。だがそれではいけないと、ベスは言う。バランスのとれた美しい体をつくるためには全身へのアプローチが必要であり、特に背中のようにトレーニングがきつい部位を鍛えることで、肩から腰にかけての流れるように美しいラインが生まれるのだ、と。
背中のトレーニングといえばラットプルダウンを2〜3セットだけというの人のために、ベスがあげる7つのルールを紹介しよう。背中をしっかりと鍛えるための重要なポイントとなるものだ。


ポイント1
部位ごとに鍛える
 背中はさまざまな筋肉から成る大きく複雑な筋群なので、ひとつの種目だけで背中全体を効果的に鍛えることはできない。背中は広背筋上部・下部、僧帽筋、菱形筋、脊柱起立筋、その他多くの筋で構成されているので、トレーニングには変化をつけることが特に重要になる。『The Natural Way : The Holistic Guide to Total Mind-Body Health & Fitness』というトレーニングに関する共著もあるベスは、次のように述べている。
 「私は背中の場合、上部から始めて下に下がっていく方法をとるようにしています。背中の下部(腰部)のトレーニングは見すごされがちですが、脊柱周囲を傷めないようにするためには、腹筋とともに下背部も鍛える必要があります。下背部の強化は、重いウェイトを使うスクワットやデッドリフトなどだけでなく、日常生活にも役立ちます。下背部の筋力不足が原因で腰痛を起こす人はたくさんいます。背中上部の大きい筋肉だけでなく、下背部も鍛えることが重要です」

ポイント2
広いグリップ幅で
 広い肩と広背筋からウェストにかけて細く絞り込まれた体。こうしたメリハリのある体は、男性だけでなく、女性を魅力的な体に見せる効果がある。広背筋に幅をつけるためにはチンニング、ラットプルダウンの効果が高いが、重要なのはグリップ幅を広くすることだ。
 「グリップ幅を広くするほど、広背筋の上部を働かせることができます」
ベスは、ラットプルダウンとチンニングの両方をプログラムに取り入れている。ラットプルダウンは体の前にバーを下ろす方法で行う。頭の後ろにバーを下ろす方法では、首と肩に負担がかかるからだ。また、上体が後ろに倒れすぎないようにして、動作全体をとおして広背筋に負荷を集中させている。筋力不足でチンニングを繰り返し行うことができないという人にもできるバリエーションを、チンニングエクササイズの説明の項にあげている。

ポイント3
ロウイングを活用する
 背中の中央部の筋群と広背筋下部を最も強く刺激できるのはロウイングだ。バーやハンドルを腹部に向けて引きつける動作を行うもので、ベントオーバーロウ、Tバーロウ、シーティッド・ケーブルロウ、ワンアーム・ダンベルロウといったエクササイズがある。
 「ロウイングが効果的なのは、背中のたくさんの筋肉が使われるからです」
効果をあげるためには、背中を丸めずに、自然なアーチを保った正しいフォームで行うことが重要だ。
 「たとえばシーティッドロウでは、両側の肩甲骨を近づけるように力を入れながらウェイトを引き、体の最も近くに引きつけた姿勢で1〜2秒静止してからバーを戻していきます」
腕を伸ばしてウェイトを下ろしていくときに僧帽筋の力をゆるめ、肩を下げるようにして正しいフォームを保つことが重要と、ベスはアドバイスしている。

ポイント4
下背部を強化する
 前述したように、脊柱のケガを防ぎ、スタンディングポジションや前傾姿勢でのエクササイズを効果的に行うためには、下背部の強化が欠かせない。ベスはこの部位を強化するために、角度をつけたベンチやフラットベンチでバックエクステンションを行っている。レップ数は多めにして、筋力の強化とトレーニング後の回復力の向上を図る。ロウイングの前に背中を疲労させたくないので、バックエクステンションはワークアウトの最後に行う。

ポイント5
重いウェイトから軽いウェイトへ
 「筋量を増やすためのトレーニングは今はしていませんが、重量に変化をつけることが大切です。そこでトレーニングの3分の1は重いウェイトを使い、3分の1は中程度の重さ、もう3分の1は軽いウェイトを使って高レップで行うという方法をとっています。ワークアウトの最初でエネルギーレベルが最も高く、筋肉が疲労していない状態で重いウェイトを使い、疲労するにしたがってウェイトを軽くし、高レップにしていくと、筋肉のコンディションやディフィニションの向上に効果が得られます」
べスが言う重いウェイトとは8レップ程度続けられる重さで、次のエクササイズはやや軽めにして12〜15レップにする。
 「1回のワークアウトで高レップと低レップのセットを組み合わせて行うのが好きです。両方を取り入れることで、筋肉をつけるとともにディフィニションの向上を図ることもでき、一度に両方の効果が得られます」

ポイント6
プログラムに変化をつける
 トレーニングで加える負荷に、体は短期間で適応していく。そこでベスは、エクササイズの順序を頻繁に変えることをアドバイスしている。
 「いつも同じエクササイズを同じ順序で、同じウェイトを使って、同じレップ数で行っていても、成果をあげることはできません」
エクササイズの種類と順序、目標レップ数を頻繁に変えるようにしよう。
 「そうすればトレーニングの成果をよりあげることができるし、同じことの繰り返しで飽きがくるのを防ぐことができます。動作をしっかりと意識し、感覚に集中して筋肉を強く収縮させるようにしましょう」

ポイント7
グリップを変える
 変化をつけるために必要なのは、新しいエクササイズを取り入れることだけではない。グリップを少し変えるだけで、筋肉に異なる反応を引き出せる可能性があると、ベスは指摘している。
 「グリップの幅や手のひらの向きを変えると、筋肉を異なる角度から刺激できます。小さな変化であっても、グリップを変えることは筋肉に常に新たな刺激を与え、成長させ続けていくための効果的な方法となるのです」
*   *   *
以上の7つのポイントをおさえ、背中のワークアウトに取り入れてみよう。背中の筋肉を引き締め、魅力的な美しいシルエットをつくることが確実にできるはずだ。



Image ベス・ホーン Beth Horn
生年月日:1973年12月2日
出生地、現住所:シカゴ
身長:170cm
体重:135ポンド(61.2kg/コンテスト時)
婚姻:既婚(2005年10月に結婚)
競技成績のハイライト:2003年ナイト・オブ・チャンピオン7位、
ハンガリー・プロ4位/2002年スロバキア・プロ4位、
NPCナショナルズ・オーバーオール優勝
ウェブサイト:http://www.bethhorn.com/注:ただし、情報は英語


ベス・ホーンの背中のルーティン
エクササイズ セット数 レップ数
次の2種目を1セットずつ交互に行う
 ワイドグリップ・チンニング *1
 クローズグリップ・チンニング
次の2種目を1セットずつ交互に行う
 ワイドグリップバーベル・ベントオーバーロウ*1 *1 10
 リバースグリップバーベル・ベントオーバーロウ 10
次の2種目を1セットずつ交互に行う
 クローズグリップ・シーティッド・ケーブルロウ *2 12
 ワイドグリップ・シーティッド・ケーブル・ロウ *2 12
次の2種目を1セットずつ交互に行う
 ワイドグリップ・ラットプルダウン *2 15
 クローズグリップ・ラットプルダウン *2 15
ローバック・エクステンション 15
*1 このトレーニング前にウォームアップセットを1〜2セット行う。
*2 上級者は2セットずつ行ってもよい。


トレーニングスプリット
鍛えるボディパート
1 脚、上腕三頭筋
2 背中、肩
3 ハムストリングス、腹筋、下背部
4 胸、脚(軽いウェイトで)
5 上腕二頭筋、腹筋、下背部
6 休養日
7 休養日
ベスはこのほかにエアロビックトレーニングを週5回、
ヒップホップダンス、またはスプリントトレーニングを
週3回行っている。


 

Image ラットプルダウン
ターゲットの筋群:広背筋上部(広いグリップ幅で手のひらを前に向けた場合)、広背筋下部(狭いグリップ幅で手のひらを向かい合わせた場合:バリエーション)
スタートポジション:
手のひらを前に向けて広いグリップ幅でバーを握る(親指を他の4本と向かい合わせた状態でバーを握る)。シートに座り、足の裏をしっかりと床につけ、大腿をパッドの下に当てる。腕を伸ばし、顔を真っ直ぐ前に向け、しっかりと前を見る(写真A)。
動作の方法:両側の肩甲骨を引き寄せ、バーをスムーズな動きで胸の上部に引きつける(写真B)。肘は外に張り、体側に引き下ろす。バーを最も低く下ろしたポジションでいったん動作を止めてから、ゆっくりとスタートポジションに戻る。広背筋を働かせてバーを引くことを意識し、上体を前後に揺らさない。
ベスのアドバイス:「腕を伸ばしていくときも筋肉の緊張を保ち、肩が上がらないようにします」

Image バリエーション:狭いグリップ幅で手のひらを向かい合わせた方法で行う。ワイドグリップに比べて広背筋の下部がより効果的に働く


Image シーティッド・ケーブルロウ
ターゲットの筋群:広背筋下部(狭いグリップ幅の場合)、僧帽筋中部・菱形筋・三角筋後部などの背中上部の筋群(ストレートバーを広いグリップ幅で手のひらを下に向けて持つ場合:バリエーション)
スタートポジション:狭いグリップ幅で手のひらを向かい合わせて握れるハンドルを使い、これをシーティッドロウのマシーンに取り付ける。両足をプラットフォームに当て、両膝を軽く曲げて座る。背すじを伸ばし、胸を張った姿勢を保って上体を前に倒し、ハンドルを握ってから、上体を起こして垂直にする。腕はしっかりと伸ばす(写真A)。
動作の方法:ハンドルを体幹に向けて引き、引きつけた姿勢でいったん止めて背中の筋肉を強く収縮させてから(写真B)、ゆっくりとスタートポジションに戻す。
ベスのアドバイス:「体幹を真っ直ぐに立てた姿勢を保ち、上体を前後に大きく動かさないこと。腰を傷めないようにするためです」

Image バリエーション:ストレートバーを使って広いグリップ幅で行う




Image バーベル・ベントオーバーロウ
ターゲットの筋群:広背筋上部、三角筋後部、僧帽筋中部、菱形筋(広いグリップ幅で手のひらを自分の側に向けた場合)、広背筋下部(手のひらを前に向けた場合:バリエーション)
スタートポジション:足を肩幅に開いて立ち、バーベルを肩幅より広く、手のひらを自分の側に向けて握る。胸を張り、背中を丸めずに、上体が水平になるところまで前に倒す。腕を真っ直ぐ下に伸ばし、バーがすねの前にくる姿勢をとる。頭は反らしたり、下に傾けたりせず、視線は床のやや前方に向けておく(写真A)。
 「このエクササイズでは、ケガを避けるために下背部のアーチを保つことが非常に重要です。動作中に絶対に背中を丸めてはいけません」
動作の方法:上体を前に倒した姿勢を崩さずに、背中の筋肉を使ってバーをお腹の上部に引きつける(写真B)。引きつけた姿勢を1〜2秒保ってから、同じ軌道を通ってゆっくりとバーを戻す。
ベスのアドバイス:「効果をあげるためには肘をできるだけ高く、背中を越える高さまで上げるようにします」

Image バリエーション:手のひらを前に向けたグリップで行う






Image チンニング
ターゲットの筋群:広背筋上部(広いグリップ幅で手のひらを前に向けた場合)、広背筋下部(狭いグリップ幅の場合)
スタートポジション:広いグリップ幅で手のひらを前に向けて、親指を他の4本の指と向かい合わせてバーを握り、ぶら下がる。膝を曲げて、足首を後ろで組み、両腕を伸ばす。顔は真っ直ぐ前に向ける(写真A)。
動作の方法:広背筋を収縮させて体を引き上げ、あごがバーと同じか、少し上になるポジションでいったん静止する(写真B)。ゆっくりと体を下ろしてスタートポジションに戻る。
ベスのアドバイス:「女性はこのエクササイズができない場合もありますが、補助者に脚を支えてもらうか、チンニングマシーンを使ってみましょう。効果の高いエクササイズなので、ルーティンから外さずに、できる方法を見つけて行うようにしましょう」




ビル・ガイガー Bill Geiger

[『マッスル・アンド・フィットネス日本版』2006年7月号にて掲載]