| 02/忙しくても、トレーニングの「達成感」を得るには? |
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松下 輝 パーソナルトレーナー 「忙しくてトレーニングの時間が取れない」 ▶「片手間トレーニング」 「仕事が忙しい」「用事が重なってトレーニングの時間がとれない」という悩みは、誰もが経験するものだろう。 そしてこのことがトレーニングを始めて間もない人にとって、トレーニングの継続を妨げる最も大きな壁となることが多い。 最初に指摘したいのは、こういった状況において「時間ができたらトレーニングをまた始めよう」という考えは避けたほうがよいということだ。 なぜなら身体づくりのトレーニングを始めて1年未満の人にとって、トレーニングは「やらなくていいならやらずにすませたい」ものであり、たとえ目の前にある課題が解消されても、また次の「何か」が生活に割り込んできて、結局、いつまで待ってもトレーニングをする時間はみつからず身体を変えることもできない。 トレーニングの効果を十分に実感し、「達成感」を感じるまでは、トレーニングの「質」よりも、まずは「頻度」を最優先にすることだ。大きな達成感を得ないうちにトレーニングを中断してしまうと、「トレーニングを続ける」というモチベーションが維持できない。この時期の人にとって最も大切なことは「自分がトレーニングを続けている」という「達成感」なのである。 ではこの「忙しくてトレーニングの時間がとれない」という状況に直面したとき、どう対処したらよいのだろうか。もし30分でもジムに行ける時間があるなら、前回、紹介した1つの部位につき1種目のエクササイズをしっかりおこなう方法ももちろん有効だ。 しかし、ジムに行く時間が全くとれそうにない時や、多忙を理由にジムに入会していない人たちには、自宅や職場などどこでもおこなえる「片手間トレーニング」をおすすめしたい。 「片手間トレーニング」とは? 片手間トレーニングとは、文字通り「仕事」や「さまざまな用事」の片手間にトレーニングをおこなうことだ。 まずその日の鍛えたい部位のエクササイズを、器具を使わずにおこなえる方法に代替したプログラムを用意する。例えば腕と腹筋を鍛える予定の日であれば、朝食の前に、脇を締めたプッシュアップを限界まで1セットおこなう。朝食が済んだら、また1セット、洗面など何か用事を済ませたらもう1セットと、計3セットおこなう。 用事の合間にトレーニングしているのだが、見方を変えればエクササイズの休憩時間に用事を済ませている感覚にもなる。職場では仕事が一段落した時に、大きめの本やカバンを持ってカールを1セットおこなう。終わったらすぐに仕事を再開し、仕事の切れ間ができればそのつど、カール1セットずつおこなっていく。 セット数や休憩時間を気にする必要はない。「時間ができたらおこなう」というように柔軟に対応していくのだ。帰宅後は腹筋のエクササイズをシャワーの前に1セット、歯磨きの前に1セット、寝る前に1セット、それぞれ15回おこなう。 こんな具合に、エクササイズを1セットおこなったら、何か用事をおこない、それが終わったらまた1セットと生活の中の細切れの時間を利用してトレーニングをおこなっていくのだ。 1回のトレーニング量はたいしたことなくても1日をトータルでみれば、腕や腹筋にしっかりと刺激を与えていることになる。 体力のある人にとっては「自宅でのトレーニングでは強度がたりない」と考える人もいるだろう。 しかしトレーニングで大切なことは「身体にいつも新鮮な刺激を与えること」だ。こういった状況をネガティブに捉えるのではなく、「いつもとは別のトレーニング刺激を与えられるチャンス」と考えてみよう。 ベンチプレスで100kg上げられる人でも、プッシュアップをさまざまな方法で30回×5セットやってみれば、強烈な胸のパンプを感じるはずだ。もし自宅にバーベルやダンベル、ベンチ、チューブなどあれば、トレーニングのバリエーションは格段に増え、やり方次第ではジムと同じ強度でトレーニングすることも可能になる。 『マッスル&フィットネス』誌でもこれまで、器具を使わないプログラムや、最低限度の器具でおこなえる数多くの優れたプログラムが紹介されてきた。それらを「片手間トレーニング」のエクササイズとして取り入れておこなってもいいし、または信頼できるパーソナルトレーナーに依頼して自分のライフスタイルにあった忙しい時の代替プログラムを作成してもらってもよいだろう。
Profile 松下 輝(まつした・ひかる) 1971年生まれ。スポーツクラブのチーフトレーナーを経て、2002年パーソナルトレーナーとして独立。都内と千葉県のゴールドジム、及びオークスベストコンディションクラブで活動中。スポーツ選手からケガや障害を持ったクライアントのケアまで幅広く指導。NSCA-CSCS、NSCA-CPT、ACSM(アメリカスポーツ医学会)認定ヘルス&フィットネススペシャリストの資格を持つ。(http://www.mfit.jp)
[『マッスル・アンド・フィットネス日本版』2009年3月号にて掲載]
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