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エアロビック・トレーニングをよりハードに効果的に! PDF プリント メール
Image最新の研究結果を取り入れ、体脂肪をより効率的に燃やすエアロビック・トレーニングの4つのワークアウト・プログラム

エアロビック・トレーニングは体づくりのトレーニング・プログラムの重要な要素であることはいうまでもない。だが、効果の低い方法で延々と続けていても、時間の無駄だし、なによりも嫌気がさしてくるだろう。そこで、とっておきの方法を紹介しよう。エアロビック・トレーニングの最新の研究結果に基づいて作成した、4つの効果的なワークアウト・プログラムだ。短時間で体脂肪を効率的に燃やし、体づくりの成果をあげることができる。それに、トレーニングのマンネリ化も避けられ、エアロビック・トレーニングに意欲的に取り組めるようにもなる。さっそく、見ていこう。

1)短時間ずつ分割して行う
●研究報告
本誌2004年11月号の「ザ・エッジ」で紹介した研究(「エアロビック・トレーニングは短時間ずつ分割して」)を覚えているだろうか。健康な人を対象にして、エアロビック・トレーニングを短時間ずつ数回行う方法と、長時間継続して行う方法の効果を比較したものだ。この研究では、10分間のランニングを中程度の強度で合計3回行う場合と、同じ強度で30分間継続して行う場合とでは、消費エネルギー量は同じであることが認められている。
●エキスパートのアドバイス
 
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エアロビック・トレーニングは、短時間ずつ分割して行っても効果が得られる。
「エアロビックな運動を長時間連続して行っても(合計30分間)、短時間ずつに分けて行っても(1回10分ずつを3回)、消費されるエネルギー量はほぼ同じになる」と、この研究にあたったデイトン大学(オハイオ州)健康・スポーツ科学準教授のロイド・L・ローバックは述べている。
 「つまり、運動を長時間続けて行うほうが、短時間ずつに分けて行う方法よりも消費エネルギー量が多いと考える根拠はないということになる」
さらに、エアロビック・トレーニングはあまり好きでないという人の場合、短時間ずつに分割して行うほうがトレーニングを継続しやすくなることが、ピッツバーグ大学で行われた別の研究でも示されている。
●効果的なワークアウトの方法
上述のローバックの研究結果をヒントにして考案されたワークアウト・メニューを紹介しよう。ウルトラフィット・ニュートリション・システム(カリフォルニア州サンディエゴ)代表のシンディ・ウィットマーシュが作成したものだ。
このワークアウトでは、ウエイト・トレーニングとエアロビック・トレーニングを短時間ずつ交互に行う方法をとる。たとえば、まず10分間のトレッドミルから始め、続いて胸のワークアウトを20分行う。そのあとステップ・ミルで10分、さらに上腕三頭筋のワークアウトを20分、最後に10分間の縄跳びで終えるというものだ。10分間のトレッドミル、ステップ・ミル、縄跳びでは次の方法をとる。

*ステップ部分が階段状になっているエアロビック・トレーニング・マシン。

10分間のトレッドミル・ワークアウト
>>1分:ウォームアップ(歩くか、中程度の速度でジョギング)。
>>1分:傾斜率を10%とし、中程度のペースで歩く。
>>1分:傾斜率を0とし、中程度のペースでジョギング。
>>1分:傾斜率0とし、全速力で走る。
>>1分:スピードを落として、右脚でサイド・シャッフル(体を横向きにして左に向け、右手で手すりをつかんでバランスが崩れないようにする。この横向きの状態で右脚を横に、すり足で出す)。
>>1分:スピードを落として、左脚でサイド・シャッフル(体を右に向けて、左手で手すりをつかんで、左脚でシャッフルする)。
>>1分:傾斜率を15%にして、中程度のペースで歩く。
>>1分:傾斜率0で、全速力で走る。
>>30秒:傾斜率0で、中程度のペースでジョギング。
>>30秒:クールダウン(ゆっくりと歩く)。

10分間のステップ・ミル・ワークアウト
>>1分:ウォームアップ(ゆっくりしたペースで)。
>>1分:中程度のペースで行う。
>>1分:できるだけ速いスピードで行う。
>>90秒:足を横に出す方法でステップを踏む。左脚を右脚に交差させるようにしてステップを踏む方法で繰り返す。ゆっくりしたペースで行い、安全のために手すりをつかむ。
>>90秒:足を横に出す方法でステップを踏む。右脚と左脚を逆にして上記と同じステップを踏む。
>>90秒:階段を降りるようにステップを踏む。ゆっくりしたペースで、かかとをしっかりとつくようにする。
>>90秒:できるだけ速いペースで、ステップを上がる。
>>30秒:中程度のペースでステップを上がる。
>>30秒:クールダウン(ゆっくりとしたペースで)。

10分間の縄跳びのワークアウト

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縄跳びもワークアウトに取り入れよう!
>>1分:ウォームアップ(ゆっくりしたペースで両足跳び)。
>>1分:ペースを上げて、両足跳び。
>>2分:両足跳びと、片足跳び(左右それぞれで)を交互に行う。まず両足を揃えて跳び、次に左足、続いて右足で跳ぶというパターンで繰り返す。
>>2分:片足で2回ずつ、左右交互に跳ぶ。
>>1分:両足で、できるだけ速いスピードで跳ぶ。
>>1分:体の前でロープを交差させて、両足で跳ぶ。
>>1分:できるだけ高く、速く跳ぶ(膝を胸に引きつけるようにする)。
>>30秒:体の前でロープを交差させて、両足で跳ぶ。
>>30秒:クールダウン(ゆっくりと跳ぶ)。


2)前半を高強度で、後半は強度を落として行う
●研究報告
1回のワークアウトのなかで、強度を変えて行う場合の効果を調べた研究がある。ニュージャージー大学の研究では、運動強度の順序(先に強度の高い方法で行い、後半で強度を落とす方法と、その逆で行う方法)が心肺能力、代謝、主観的運動強度*1におよぼす影響が調べられた。12人の被験者にエアロビックな運動を30分、2つの方法で行わせたものだ。一方は最初の15分間に高強度の運動を行い、そのあとの15分は低強度で行う方法をとる。もう一方はこの逆で、最初の15分を低強度、後半の15分を高強度で行う。運動中5分ごとに、酸素摂取量(VO2)*2、心拍数、主観的運動強度が測定された。
その結果、先に高強度で行い、後半で強度を落とす場合のほうが、その逆の場合よりも、酸素摂取量、心拍数は高く、一方、主観的運動強度は低かった。総消費エネルギー量、炭水化物の酸化量(エネルギー源として炭水化物が使われた程度を示す)については、2つの方法で差はなかった。最も注目される点は、先に高強度で行う場合、後半の低強度の運動中の脂肪の燃焼量が、前半に低強度で行う場合よりも多かったことだ。
この結果から考えると、エアロビック・トレーニングは最初に高い強度で行い、後半で強度を落とす方法をとるほうが、体脂肪燃焼効果をあげることができ、さらに運動をより楽に感じるメリットも得られると考えられる。

*1 主観的運動強度:運動を行っている人が疲労感などを感覚的・主観的に感じる運動強度。
*2 酸素摂取量:単位時間内に体内に取り込まれる酸素量をいい、有酸素能力の指標となる。


●効果的なワークアウトの方法
上述の研究結果を取り入れ、段階的に強度を変える方法でトレッドミルのワークアウトを行ってみよう(戸外で走ってもよい)。ポイントは、前半の15分を4つに分け(各400mずつ)、段階をおって徐々にスピードを上げていくことだ。

前半の15分
>>最初の400m:楽なペースで歩く、またはジョギング。
>>次の400m:ややスピードを上げる(トレッドミルで行う場合は時速で0.3〜0.5km程度、スピードを上げる)。
>>3本目と4本目の400m:それぞれ時速でさらに0.3〜0.5km程度、スピードを上げていく。

後半の15分
(またはワークアウトの残り時間)
前半の15分が経過したらスピードを落とし、つらくはないが、ややきつい程度のペースで15分(またはワークアウトの残り時間)続ける。


3)「話ができる」強度で行う
●研究報告
本誌2005年3月号の「ザ・エッジ」で紹介した研究(「『トーク・テスト』で強度を判定」)を思い出してみよう。運動しながら無理なく話ができるペースが、エアロビック・トレーニングを適切な運動強度で行う目安になるという、『Medicine & Science in Sports & Exercise 』に発表された研究報告だ。
これはウィスコンシン大学で行われた研究で、「トーク(話す)テスト」といわれる運動強度の判定法の信頼性を調べたものだ。実験では、被験者16人にステーショナリー・バイク、またはトレッドミルによるエアロビック・トレーニングを行わせて、段階的に運動強度を上げていった。そして同時に「忠誠の誓い(The Pledge of Allegiance)」(訳注:アメリカ国民が星条旗に向かって唱える誓いの言葉)を暗唱させるという方法で「トーク・テスト」を実施した。また、無酸素作業閾値も測定された。
その結果、バイク、トレッドミルどちらの場合とも、被験者が「楽に暗唱できた」と答えた強度の範囲の最高値が、無酸素作業閾値とほぼ一致していた(つまり、それ以上の強度になると、有酸素運動ではなく、無酸素性の運動になるということ)。

*無酸素作業閾値:運動強度が高くなって酸素供給が追いつかなくなり、エネルギー供給のために有酸素性機構に加えて無酸素性機構が働き始めるポイントをいう。

●エキスパートのアドバイス
 「運動がきつくて話ができなくなったり、話すのがつらくなるレベルが、無酸素作業閾値(有酸素性の運動から、無酸素性の運動へ切り替わるポイント)とほぼ一致する」と、ウィスコンシン大学のジョン・ポーカリ教授(運動・スポーツ科学)は述べている。
 「したがって、有酸素性の運動能力を高めたいのであれば、話すのがつらくなる手前の強度で運動を行うようにしよう。一方、無酸素性の運動能力を高めたい場合は、それよりも強度を上げて30秒から1〜2分、運動を継続し、そのあと強度を落とす方法を繰り返すインターバル・トレーニングの形式で行うのが効果的だ」
各自で「トーク・テスト」を行い、自分にとって最適の運動強度を見つけるように、ポーカリはアドバイスしている。
 「たとえば、ウォーキングの速度をいろいろに変えて行ってみる。きつくて話ができなくなるレベルがわかったら、その手前の強度で運動するようにしょう。トーク・テストは、高すぎない強度で運動を行うための手軽な方法となる」
●効果的なワークアウトの方法
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段階的に強度を上げる方法で、ワークアウトの前半に強度の高いトレーニングを行うようにしよう。
エアロビック・トレーニングを適切な強度で行うために、ポーカリは次の方法をすすめている。
まず最初は、トレッドミルで(傾斜はつけない)楽なペースで歩く。そして1分ごとに傾斜率を1%ずつ上げていく。10分以内に、無酸素作業閾値(有酸素性の運動から、無酸素性の運動へ切り替わるポイント)に達し、運動しながら話すのがつらくなるはずだ。この状態に自分がどのレベルで達するのかわかったら、それよりもやや低い強度でエアロビック・トレーニングを行うようにする。
また、トレーニングを続けていくうちに体力レベルが上がってくるので、4〜6週間おきにこのテストを行い、適切な強度でトレーニングできるようにしよう。


4)ウエイト・トレーニングの動作を取り入れる
●研究報告
韓国スポーツ医学・栄養研究所(ソウル)から発表された研究によると、
軽い抵抗(ダンベルやチューブを使用)を使ってエアロビック・トレーニングを行うと、体脂肪および体重の減少をうながすためにより高い効果が得られることが認められている。
●効果的なワークアウトの方法
軽いウエイトを使ってエアロビック・トレーニングを行うと、体脂肪を落とし、筋量を増やすのに効果をあげるというのが上述の研究結果だが、この報告にもとづいて考案されたワークアウト・メニューを紹介しよう。ニューヨークで認定パーソナル・トレーナーとして活躍するレイ・ウォレスが作成したものだ(下記の表参照)。トレッドミルによるエアロビック・トレーニングと、ウエイト・トレーニング(三角筋、上腕二頭筋)を組み合わせて行う方法をとる。


トレッドミルの傾斜率 エクササイズ
0~5 0 行わない
5~8 3% ダンベル・ショルダー・プレス
8~11 3% オルタネイト・カール
11~13 3% ボクシングのパンチ動作
13~16 3% ダンベル・ショルダー・プレス
16~19 3% オルタネイト・カール
19~21 3% ボクシングのパンチ動作
21~24 3% ダンベル・ショルダー・プレス
24~27 3% オルタネイト・カール
27~29 3% ボクシングのパンチ動作
29~35 0 行わない


まず最初は1〜2kg程度のダンベルを使って始め(3つのエクササイズとも)、スピードは時速5〜6kmの速度を維持して行う。
 「さらに強度を上げたければ、もっと重いウエイトを使ってもよい(ただし、安全面に十分に配慮すること)」とウォレスはいっている。

キャリ・ロッシ Carey Rossi

[『マッスル・アンド・フィットネス日本版』2005年4月号にて掲載]