| 03/体調が悪いときや回復後のトレーニングの対処法は? |
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松下 輝 パーソナルトレーナー 「風邪を引いたらしく身体がだるい」 ▶高負荷・少量のトレーニング 「病み上がり」 ▶休憩時間を長くとっておこなう ▶ウォームアップのセットを増やす あきらかに病気の時や非常に疲れている時は、もちろんトレーニングを休むのが基本だ。特に熱がある時は、体温の産生のために身体には異化の作用が強く働いていて、肝心の筋肉の同化作用にまわすエネルギーは不十分になる。 このような状態ではいくら効果的なトレーニングをしたとしても、筋肉を増やすことは難しい。それどころか十分なエネルギーを摂取できなければ、トレーニングのエネルギー源を筋肉を分解して調達することになってしまうので、筋量の減少やオーバートレーニングを引き起こしてしまう可能性が高い。熱がある時は「安静」にして早く熱を下げることが大事だ。 それでは風邪の引き始めなのか、ちょっと疲れているだけなのか、判断に迷うような身体のだるさを感じる時は、トレーニングはどのようにおこなえばよいのだろうか。 こんな時は「高負荷・少量」のトレーニングに調整しておこなうことをおすすめしたい。前述したように、風邪などの感染症にかかると、体は機能の維持のために、多量のエネルギーを必要とする。そんな時に量の多いトレーニングをおこなってしまっては、感染症に対抗する十分なエネルギーを確保できなくなり回復が妨げられてしまう。 もし風邪の引き始めのだるさだったとしたら、結果として風邪を悪化させてしまう恐れがあるのだ。したがって風邪の可能性があるときは、できるだけエネルギー消費を抑えたトレーニングにしたほうがよい。 具体的には、3~8回で限界となる負荷を選び、セット数は1~3セット程度(もしくは一種目のみを3~6セット)に制限する。少ない量だが、高負荷で筋肉の出力を上げること(いわゆる筋力アップ)を目的としておこなうのだ。 もちろん筋肉をオールアウトさせるまで追い込むべきではなく、フォーストレップなどの高強度テクニックも使わないようにする。こうして筋肉に大きな刺激を与えるが、トレーニングは短時間で切り上げ、他の時間はできるだけ安静にして体調の回復を図るようにしよう。 ちなみに個人差はあるが、一般的にいって身体のだるさを感じる時はエネルギーを多く消費する有酸素運動は控える。またウェイトトレーニングもスクワットやデッドリフト、レッグプレス、クリーンなど、エネルギー消費の多いエクササイズも避けたほうがよい。脚のトレーニングはエネルギーの消費が比較的多いので、体調が回復してからおこなうか、レッグエクステンションやレッグカールなどの単関節種目でおこなうことをおすすめする。 一方、風邪など体調を崩してトレーニングを休んだ後、久しぶりにトレーニングを再開する時はどのようにすべきか。 まず一つ目のアドバイスはいつもよりもウォームアップのセットを多く取るようにすることだ。休む前よりウォームアップセットを1~2セット増やしておこない、関節や筋肉をメインセットにむけて十分に慣らしていくようにする。さらに必要であればメインセットの1セット目は、トレーニングを休む前の10%程度落としたウエイトでおこなって様子をみるとよい。 このセットを余裕を持っておこなうことができたら、2セットからは、休む前のメインセットの重量でおこなっていく。 2つ目のアドバイスは、病み上がりの時は、セット間およびエクササイズ間の休息時間を長めにとり、十分に筋肉を回復させてから次のセットに進んでいこう。 病み上がりの時はエネルギーが不足していたり、身体を動かす感覚が鈍くなっている場合が多いので、1セットごとに体調を確認しながらトレーニングをすすめていくのが基本的な考え方だ。 復帰後、最初のワークアウトは筋肉や神経系に刺激を与えることを第一の目標とし、次回のトレーニングで通常のプログラムに戻せばいいと考えよう。できるだけ早く、以前と同じ強度でトレーニングしたいと思うだろうが、無理をして再び体調を崩してしまったり、関節や筋肉を傷めて、結局、長い間トレーニングを休まざるを得なくなってしまっては元も子もないからだ。 ちなみに感染症の疑いのある時は、他の人に感染を広げないことも大切だ。マスクをしたりするなどエチケットを守り、可能であれば家でおこなうワークアウトに変更することも検討してみよう。 Profile 松下 輝(まつした・ひかる) 1971年生まれ。スポーツクラブのチーフトレーナーを経て、2002年パーソナルトレーナーとして独立。都内と千葉県のゴールドジム、及びオークスベストコンディションクラブで活動中。スポーツ選手からケガや障害を持ったクライアントのケアまで幅広く指導。NSCA-CSCS、NSCA-CPT、ACSM(アメリカスポーツ医学会)認定ヘルス&フィットネススペシャリストの資格を持つ。(http://www.mfit.jp)
[『マッスル・アンド・フィットネス日本版』2009年4月号にて掲載]
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